2024年に成立した「こども性暴力防止法(日本版DBS法)」
「施行はまだ先」と思われがちですが、実は2026年12月25日のスタートに向け、具体的なガイドラインや規程のひな型が次々と明らかになっています。
こどもに接する仕事をしている方、塾やスポーツクラブを運営している方、そして大切なお子さんを預ける保護者の方へ。この新しい制度のポイントをわかりやすく解説します。
1. 日本版DBSとは何か?
一言で言えば、「こどもと接する業務に就く人の、性犯罪歴を確認する仕組み」です。
これまで、個別の事業者が採用候補者の犯歴を調べることは困難でした。しかし、この法律によって、国(こども家庭庁)が管理するシステムを通じて、一定の性犯罪歴がないかをチェックできるようになります。
制度の2つの柱
- 義務付けられる「学校設置者等」: 学校、幼稚園、保育所などは必ず導入しなければなりません。
- 任意で認定を受ける「民間教育保育等事業者」: 学習塾、放課後児童クラブ、スポーツクラブなどは、国の認定を受けることでこの仕組みを利用できます(認定を受ければ確認が義務化されます)。
2. 何を「確認」し、どう「守る」のか?
① 犯罪事実の確認
雇用しようとする人(または現職者)に「特定性犯罪」の履歴がないかをシステムで照会します。
- 対象となる罪: 刑法の不同意性交等罪、児童福祉法違反、条例違反(痴漢・盗撮など)が含まれます。
- 照会期間: 禁錮刑以上は刑の執行終了から20年、罰金刑以下は10年。
② 安全確保措置
犯歴を確認するだけではありません。事業者は以下の体制整備が求められます。
- 不適切な行為の早期発見: 定期的なアンケートや面談の実施。
- 相談窓口の設置: こどもや保護者が声を上げやすい環境づくり。
- 研修の実施: 従事者への意識啓発。
3. 事業者が直面する「3つのハードル」
準備を進める中で、特に以下の点が重要になります。
1. 就業規則の改定
犯歴が判明した場合や、確認を拒否した場合の「内定取消し」「配置転換」「解雇」などが法的に有効であるよう、あらかじめ就業規則に明記しておく必要があります。
2. 徹底した情報管理
犯歴情報は究極の個人情報です。「閲覧できる人を最小限に絞る」「システム外に記録を残さない」といった厳格な情報管理規程の策定が必須です。
3. 「現職者」への対応
新しく雇う人だけでなく、施行時にすでに働いているスタッフについても、都道府県ごとに決められたスケジュール(ランダムに設定される予定)に従って順次確認が必要になります。
4. 保護者との信頼関係が「事業の資産」になる
少子化が進む中で、保護者が預け先を選ぶ基準はより厳しくなっています。「日本版DBSに対応している」ことは、単なる義務の履行ではなく、「私たちはこどもの安全を最優先に考えている」という強力なブランドメッセージになります。
まとめ:これからのスケジュール
- 2026年12月25日: 法律施行
- 2026年12月以降: 各事業者でのシステム登録・順次確認開始
「何から手をつければいいかわからない」という事業者様向けに、こども家庭庁からは「児童対象性暴力等対処規程」や「誓約書」のひな型も公開されています。
こどもの未来を守るため、今から着実な準備を始めていきましょう。
参考: こども家庭庁「こども性暴力防止法」関連資料より作成


